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人生シナリオは書き換えられる

私には忘れられない記憶があります。子供のころのことです。7歳か、9歳か、いくつかの年齢ははっきりしませんが、身体のサイズは小さかったように思えるので、小学生低学年だったようです。


とつぜん、自分がどこからきて、どこへいくのかわからなくなったのです。


場所は生家の厠。(当時、厠は家の外で、独立した屋根がありました)へんだな、と思い母屋を振り返ります。母屋には母がいたからです。わたしはお母さんから生まれた子供のはずなのに、どうして、「どこからきた」なんて思ったのだろう。


前に向き直りました。目の前には祖父母がいる離れがあります。「どこへいくのか」って、なんのことだろう。学校とか、ピアノのおけいこ、おじいちゃんおばあちゃんのところじゃないよね。


目で見ている風景と、脳裏にうかぶ思いとが一致しない、奇妙な感覚でした。どこからきて………、あたまの後ろのほうに果てしない大きな空間が浮かびます。明るいのですがなにもありません。


どこへ………、あたまの前のほうに明るく広陵としたものを感じます。


だれもいない、広がりがあるだけ、大地のような砂漠のような、木々もなく、何かの形があるような世界ではありませんでした。厠の前で呆然と佇む少女は、もう一度お母さんのことを思います。でも、「どこから」はお母さんのお腹ではないようなのです。


なんだろう………、感じるままにしていると、過去と未来の空間の容量があまりにも膨大で、小さなわたしの頭では抱え込めません。不安になりました。わたしはここにいるけれど、いないのかもしれない、と感じたからです。


それから○○年と何ヶ月か、なぜわたしは鎌倉の佐助で陰陽師であり霊能力者でもあった故宮崎敦子先生と出会ったのか。


なぜ、シナリオライターなのか、なぜとつぜん、自宅の風呂場で「人生のシナリオは書き換えられる」と宣言したのか。


なぜ、シナリオの師・舟橋和郎氏の「シナリオを書くということは、神になるということだ」の台詞が脳裏から離れないのか。


師に「神になるということだ」と言われたとき「そんな大それたことはできない」と思ってしまった私は、その後シナリオを書くことに恐れを抱いてしまったのでした。


素直といえば素直、謙虚といえば謙虚、間抜けといえば間抜けのような感覚に自分で自分のことを笑う日々です。



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